
新築工事では、ほぼかならずと言ってよいほど、地鎮祭を執り行います。工事を始める前に、神様に降りて来ていただき、その土地の神様を祀り、土地を利用させてもらうことの許しを得ます。「とこしずめ」とも言います。神様と接する機会を多くもつ職業は、神社において神に奉仕する神職を除いては、建築建設土木業界の方かもしれません。建築業界の身を置く長田もその一人と言えます。
さて、「輪ぬけ様」は、古くから高知県内の各地の神社で行われているお祭りで、1年を二つにわけ6月30日を「みそか」とし、半年分の厄落としと次の半年の無病息災を祈願します。茅(かや)で作られた大きな輪を、左、右、左と八の字を描いてくぐり抜け、身を清め、無病息災を祈ります。
「輪抜け様」は、正式には「夏越(なごし)の祓(はらい)」と言い、また、「水無月の祓」とも言われ、古くから続く伝統行事です。県外から来た私には、新鮮かつ神聖な経験です。夏のかおりがする茅の緑から生気を感じることができます。
「輪抜け様」が終えると、高知は夏本番に突入します。訪れた境内には、数十匹、数百匹ものホタルがいて、手を差し伸ばせば、手の平の上で光を放ちます。夜のホタルが参拝する方に神様をお連れしているような気分にしてくれます。
藤川工務店 不動産営業本部
長田郁彦